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ありがとうイベント


喋れない言語でありがとうと言う方法。

各都市での滞在の最後には、参加者とスタッフ諸共私達のお世話をしていただいた地元の皆さんに感謝の気持ちを表す為ショーを開催します。それはメンバーの出身地の文化の紹介であったり、日本で人気の歌等を含むものです。イベント自体、お孫さん達からおばあちゃんおじいちゃんまで楽しんでいただけるように考えて作ってあります。ホストファミリーの皆さんがそこで見るのは、いくつもの楽しそうな顔、いい気持ち、そして願わくばとてつもなく大きな感謝の念です。

しかし真実を語ると、私達は毎週歌ったり踊ったりする為にツアーに参加している訳ではないのです。何故このようなイベントを披露しなくてはいけないかと問うのも容易い物です。何故ならば、私達の誰もがしばらくの間、日本に来て旅をし、その文化をできるかぎり体験する為にお金を貯めて来ているのですから。ですから話せもしない言葉の歌を習ってくれと頼まれた時、誰もそれを歓迎はしませんでした。特に一週間目は習う事が山ほどあり大変です。

数時間は耐えられても、題名も上手く発音できないような日本の歌のその日12回目の練習となるともう単に面倒な仕事です。

しかしとうとうその初めてのイベントの日が訪れるとどうなるのか?

キツいスケージュルと既に溜まっている疲れにも関わらずステージに立ち、出来る限りのベストを尽くします。普段はマイクを持ちもしないような人が前に立ち、楽しみながら日本語で歌を歌い、手話まで付けるのです。それはヒゲを生やしたノルウェー人のスタッフが丁重に頼んだからでしょうか。それともCEOの西村さんが能弁にこのイベントが地域にとってどれだけ大切なものであるかを語ったからでしょうか。

個人的には、僕たちを毎日送迎し、疲れて帰宅したら後はくつろがせてくれる人達の為にしていると確信しています。家族に招き、そして美味しい御飯を作ってくれるその人達。彼らの顔がパフォーマンス中、ステージから見れば僕らの方をニコニコしながら見ていてくれるのです。彼らの応援している声が僕らの出番の時に聞こえてきます。

ホストファミリーや素晴らしい地元のコミュニティーがイベントを楽しんでくれていなかったら、参加者もここまでがんばってはいないでしょう。 根本的には一週間程の滞在中にそのコミュニティーが僕たちと分かち合ってくれたものに対する感謝を表す手段なのです。

僕たちのこれまでの努力は思いがけも無く全く違う価値を持つのです。そしてとても楽しくなります。ですから僕はホストファミリー達がこれからもいくつものWorld Campus−Japanのこのイベントを楽しんでくれる事を心から願っています。参加者もスタッフも、心を込めて盛大にしていくでしょうから。

(2008年夏期ツアー プロダクション スタッフ アシスタント(別名ヒゲを生やしたノルウェー人のスタッフ)ヘンニング・ロドウィット)

第一セッション − オリエンテーション



数々の地域活動に参加し、様々な地域の名所見物もしましたが、ツアー始めの二週間の焦点の一つはオリエンテーションでした。オリエンテーションやトレーニングなんて面白くないように思われるかもしれませんが、これだけ国際的なグループがこの多様なプログラムを成功させるのには欠かすことはできません。第一セッションの参加者とスタッフはブラジル、アメリカ合衆国、インドネシア、ウズベキスタン、カナダ、韓国、ケニヤ、中国、デンマーク、日本、ノルウェー、フィンランド、そしてメキシコからやって来ているのですから。

基本的なガイドラインやルール等の発表以外にも、スタッフは参加者がワールドキャンパスでの日常の流れに速やかに適応するよう上手く援助してくれました。一日の始まりは参加者が日替わりで発表する「こんな時に日本にいるって分かる」です。しかしながら、その短い一時だけでは私が幾度も体験した不思議に食欲をそそる食事、温められたトイレの便座、眉毛の完璧に整った男性との出会い等はまとめられないと思います。もちろん「私のストーリー」無しでは一日が完成しません。無作為に選ばれたメンバーに自分のライフストーリーを十分程で語る機会が与えられます。

生涯で一番恥ずかしかった体験等、あらゆる話を聞き、語る事でお互いを少しずつ知り合い、友情を築き上げて行きます。

最初の一週間程は毎日一時間の日本語の授業を受けました。私達の素晴らしいヒロミ先生が辛抱強く基本的なサバイバル用日本語を教えてくれました。難しいと同時に楽しく、実用的でした。実際、日本人の誰もが外国人の私たちが日本語を一言でも口にすると仰天していました。

日本での滞在中は各地のホストファミリーにお世話になっています。彼らは食と住を提供してくれるだけではなく私達を家族の一員として迎えてくれます。そんなホスト、そして地域の人々への感謝の気持ちを表す為、私たちは歌や踊り満載の「ありがとうイベント」を開催します。このイベントは参加者達がそれぞれの文化の歌や踊り等様々な方法でお客様をもてなすカルチュアル・プレゼンテーションを含むいくつかの部分で成り立っています。リハーサルでお互いのパフォーマンスを幾度も見る事で、私達は更に仲良くなり、そして一つ一つの文化について学ぶ事が出来ましす。イベントでは、それに加え二つの英語の曲、そして日本の名曲のメドレーも歌います。

もちろん、イベントの概要を初めて説明された当初は皆少しは圧倒されました。にも関わらず、始めの二週間中の練習を終えての上田市で初めてイベントは成功し、お客樣方からも大変良い反響をいただきました。私のホストシスターのカズエちゃんは、私達のSMAPが一番面白かったとはしゃいでいました。デンマークからの参加者である友人のハ・リリーは「皆と一緒にいて、地元の皆様に披露するのはとても楽しかった」と、フィンランド人のペルトラ・イルッカは「素人にしては上出来だ」と言っていました。皆もそれに賛成するだろうと思います。

どんなオリエンテーションも簡単ではありませし大変な時もありますが、その価値は間違いなくあります 😉

(アメリカ出身、アルファノ・ジャッキー)

上田市でのテーマ:食と社会


七月一日は頭と体の両方にとって素晴らしい日となりました。午前中には試食用の新鮮なトマト、キュウリ、そしてサクランボを持ち得た地元の農家が上田市の「あさつゆ」という農産物直売加工センターについて話をしてくれました。野菜や果実の味は案外土の種類に左右されるようです。

彼は日本語で喋っていましたが、職業に対しての熱意は安易に感じ取ることができました。彼の使命は農家と消費者の両方に有機栽培された自然な農作物を実行可能なものにするということです。殺虫剤等の科学物に汚染されることなく育った作物の利点は否定できないものの、大抵は他の物に比べて値段が断然高くなってしまいます。出費を減らす為にと上田市にこんな直売センターが築かれたのです。毎日、二百軒以上の農家が採りたての産物を売ることが出来ます。大勢の売り手がいることで商品の値段も自然と下がります。競争は激しくても、更に多くの消費者がいるので農産も賢明な職となります。

実際の見学は更に味覚を堪能してくれました。鮮やかなエプロンと手ぬぐいを頭に巻き、World Campus Japanの参加者はおやきの作り方を習いました。あんこのと野沢菜との二種類を作りましたがどちらもたまらなくおいしいものとなりました。あさつゆの厨房では毎日おやきが蒸され、包装され、店頭に並べられます。このように、有機物だけではなく出来立てのパン、クッキー、そしておやき等も売られているのです。

信頼できる食糧無しでは社会は存在できません。しかし近年そんな食物が全く足りていないのです。意識的に体と地球に優しい食物を求める動きがあります。上田市ではそんな自然な食べ物への要望が農産物直売センターで満たされていることを学びました。

(アメリカ出身ユング・グァング)